『ザ・場面写』 第17回 61式戦車その2 61式戦車5型

 61式戦車5型は、『MS IGLOO2 重力戦線』に登場した61式戦車のバリエーション。一年戦争を通じてヨーロッパ戦線にて活躍した車輌で、車体前部のフェンダーには雑具箱を設置し、サイドスカートを装着するなど外観形状が異なるものも存在する。
 61式戦車は、一年戦争の開戦直後の段階で、当時の最新技術を導入したハイテク兵器であった。大口径の2連装155ミリ滑腔砲への砲弾の装填は、その大きさから人力では不可能なため自動装填装置を採用。さらに衛星とのデータリンクシステムによって、位置情報をはじめとするさまざまな戦場のデータを、部隊の他の車輌と共有することで効率のいい戦闘を行うことが可能で、戦場データを駆使した長距離精密砲撃が可能なハイテク戦車でもあった。結果、砲手兼戦車長と操縦手のわずか2名で運用が可能となっている。
 しかし、レーダーや精密機器に影響を与えるミノフスキー粒子が戦いに用いられることで、61式戦車の運用状況は一転してしまう。戦闘の要であったデータリンクシステムはダウンし(照準用ディスプレイの脇には、使用不可能となったデータリンクシステムの表示が残っている)、長距離砲撃が不可能となってしまい、人員削減の省力化も含めて、ハイテクによって受けた恩恵がすべて仇となるという、時代の皮肉を一身に集める存在となってしまうのだった。
 そんな苦境に立たされた61式戦車だが、それでもザクの装甲を撃ち抜ける火力は、モビルスーツを持たない連邦軍にとってなくてはならない戦力であり、ハイテクという翼をもがれながらもザクを相手に奮闘し続けたのである。

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