最近の「ガンプラ」は大したものである。接着剤不要で実に見事に組み上がる。多色成形技術により、色分けさえも再現されている。誰もが簡単に、アニメ番組から抜け出したキャラクターを手にすることが出来るのである。

これらの事は、ひと昔前と比べ、まったく隔世の感がある。かつて、プラモデルを組み立てるには、まず、接着剤を机の上に置くことから始めたものだ。昨今、あの独特の溶剤の香りを知らない若者も少なくない。

　「機動戦士ガンダム」シリーズは、幅広いファン層の獲得に成功したアニメーション作品である。実に、四半世紀の長きに渡り展開し続けるシリーズは、他に例を見ない。そのファン層は、もはや中年の域に達する世代を始めとし、その子らの若い世代に至るまで、否、その孫の世代へと続くのである。

　かつてのプラモデルは、船や航空機、そして戦車を代表とした兵器など、実在の立体物の再現が主であった。そして、プラモファンたちは、自分なりの情景を思い浮かべつつアレンジを加え組み立てたものだ。

　時代は加速的に流れ、ガンプラはプラモデルのひとつの新しい形を示し、アニメ世界の再現に成功した。進化は極められたかに思えた。

　だが、ガンプラの世界は本当に掘り尽くされたのか？　我々には置き忘れて来てしまったものはないのだろうか？
　
　プラモデル創世記時代からの想い、実物に対する憧れ、その憧れを手元に置く夢はどうであろうか？　自らの部屋を、ある時は大空に、ある時は大海原に、そしてある時は過酷な戦場に・・・・・。シリアスな夢を己がものとする浪漫の魂の復権。それは、単純化され記号化されたアニメ設定の再現では満ち足りることのないホビーの精神というべきか。
　
　我々、サンライズは、このためのプロジェクトを立ち上げました。
アニメ作品「機動戦士ガンダム」とその時代たる「宇宙世紀」を再解釈し、史実とも比肩すべきイマジネーションの提供に挑戦したいと考えたのです。史実ばかりがリアルなのでしょうか？　あなたの心に棲まう宇宙世紀が今、リアルに浮上するのです。

さあ、４号戦車や零戦のプラモデルが大好きなあなた、厳格な史実に疲れた時、Ｕ．Ｃ．ＨＡＲＤ　ＧＲＡＰＨに挑戦してみませんか。そして、ガンプラにどっぷりと漬かっているあなた、少し背伸びをしてみませんか？