『ザ・場面写』 第16回 61式戦車 その1

 モビルスーツが配備される以前、地球連邦軍の主力兵器として活躍していたのが、絶大な破壊力を持つ2連装の155ミリ滑腔砲を持つ61式戦車である。その名が示すとおり、この戦車は宇宙世紀0061年に制式採用され、以降0079年にモビルスーツに主力兵器としての座を奪われるまでの18年にわたって生産され続け、さらに主力を退いた後も0087年頃まで使用されていた記録が残っている(『機動戦士ガンダム』、『機動戦士Zガンダム』、『第08MS小隊』、『MS IGLOO 1年戦争秘録』などの各作品に登場している)。
 61式戦車が長きにわたって活躍してきた理由は、基本設計の良さにあったと思われる。長期間の運用の背景には、現場の要請や新技術の導入などによる、バージョンアップや使用状況に応じた改装が行われており、基本設計が良かったからこそ、そうした改良に耐えられたのだろう。
 その結果、一年戦争初期の北米や東南アジア地区、ヨーロッパ戦線、さらにはオデッサやジャブローなど、世界各地で活躍する姿が確認され、その生産数もかなりの数にのぼると考えられる。もちろん、運用状況や地域によって、基本構造は同じながら外装などの各部形状や装備、カラーリングなどが異なるバリエーションが多数存在している。
 ジオン軍のモビルスーツ相手に撃破される姿が目立つ61式戦車だが、一年戦争時の戦場においては配備数の少ないモビルスーツをサポートする信頼度の高い兵器として活躍していたことは間違いない。

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