ハードグラファーへの道 第9回

 前回で、フィギュアの組み立て→塗装→展示用のベース制作という順を追って進めてきた“フィギュア編”も完成品として仕上がり、ひと段落。
 完成したからにはやっぱり誰かに見て貰いたい! そこで、第3回でもお邪魔して、川口名人と山田卓司さんから完成品に対するコメントをいただいた『モデラーズフリマ』にまたまた行って参りました。

 伺ったのは、08年3月15日と16日に静岡ツインメッセで開催された『第7回モデラーズフリマ』。会場では、川口名人による、プラモデルの実演制作とトークが楽しめる「ガンプラアカデミー モデリングトーク」が行われており、なんと今回はモデリングトークの特別ゲストとして、ハードグラファー木内が登壇。我々の完成品を手に、川口名人、そして新たな『U.C.HARDGRAPH』のマスコットキャラ、リリっちとトークしてまいりました。
 さて、気になる川口名人からのコメントは……。

川口名人のコメント
「パッと見て、雰囲気も含めて良くできてますね。欲を言うなら、服装や装備品の質感が均一になっているので、そこに違いをだせるといいですよね。実際の服装は、素材によって質感が違うし、ベルトなんかは革製だったらツヤがあったりもするわけで。そうして、ツヤの調整なんかをすると、いいんじゃないですかね。
 武装に関しても、ストックや銃身のカバーは樹脂製になっているので、銃全体に銀色のドライブラシをするのではなく、質感の違いを意識して仕上げるとさらによくなります。
 後は、模型は想像して作ると楽しいので、行軍している兵士が何を目的に、どういうオペレーションで動いているのかを考えて作っていくと面白いと思います。汚しに関しても、例えば泥沼を駆けてきたなら、泥撥ねが大きくなってついているはずなので、そうした状況を想像させる表現を加えられるといいですよね」

 以前に比べて、なんとも嬉しいお褒めの言葉が。苦労して完成させた甲斐もあります。川口名人のコメントは、プラモを作っていく上で、毎回励みになります。ということで、ハードグラファーを目指すモノとしては、次なる目標が自然と見えてきました……。

 と、その前にトーク中に木内が質問した内容を紹介しておきましょう。

川口「苦労したところをアピールしてもいいですよね」
木内「やっぱり、瞳ですね。何度か挑戦しているんですが、なかなかうまくいかなくて……。何かいい方法があれば教えてください」
川口「細かいところなので、塗らないで済ましている人もいますし、この大きさだと目玉を塗るのは大変ですが、それでも瞳を入れたいのが人情ですね」

と、ここで、川口名人が瞳の塗る方をレクチャー。
取り出したのは、エナメル塗料とフィギュア用の極細の筆、そして爪楊枝!

川口「まず、白目を塗ったら、その周りをスミ入れの要領で薄く溶いた塗料で影を入れます。薄くぼかすくらいのイメージですね。次に、瞳ですが爪楊枝の先を尖らせたもので薄く溶いた瞳の色を少しずつ塗っていきます」

そして、出来上がったのがコレ。
アクリル塗料で塗った上にエナメル塗料で塗装しているので、失敗しても溶剤でふき取ればリカバリーが可能な点もポイント。
この手法は、木内にとっても目からウロコだったようで、さっそくチャレンジしたくなったとのこと。
「いや〜、まさに“その手があったか!”って感じでしたね。ずっとアクリル塗料で仕上げなくちゃいけないと思いこんでいたので。これで、失敗を恐れずにチャレンジできそうです」(木内)とは、トーク後の弁。

 この後、リリっちのページでも書かれているフィギュア初心者へのレクチャーを挟んでトークは無事終了。このコーナーのことも、しっかりとモデラーズフリマでアピールできました。

 ということで、我々の次なる目標の発表です。
 川口名人が言うとおり、模型作りは「どんなシチュエーションにあるものなのか?」を想像しながら作るのが楽しいもの。そして、そのシチュエーションの表現の最たるモノは、やはりジオラマ! 
 1/35スケールで統一され、小物も充実している『U.C.HARDGRAPH』は、ジオラマとして完成させるべきでしょう。そこで、我々は今までの経験を活かしてついにジオラマ制作にチャレンジします。
 もちろん、何かの目標がなければ気合いも入りません。どこかで展示され、みなさんに完成品を見て貰いたい。ということで、10月に開催される、『プラモデル・ラジコンショー』での『U.C.HARDGRAPH』コーナーでの展示を目指して、次回から、ジオラマ制作編をスタート!

 我々のさらなる試練にご期待下さい!

追伸:このコーナーで石井と木内がフィギュア編で完成させたミニヴィネットが、完成作例としてVR化されました。こちらもチェックしてください。

木内の作例 石井の作例
アングル1 アングル2

 

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