ハードグラファーへの道 第15回

 約半年に渡ってお送りしてきた『大きめのジオラマを作ろう』編も今回が最終回。企画当初の告知どおり、2008年10月18日〜19日にかけて千葉の幕張メッセにて開催された『第48回全日本模型ホビーショー』のバンダイブース内『U.C.HARDGRAPH』コーナーに完成版が展示されました。

 当日の『U.C.HARDGRAPH』のコーナーには、最新作となる『セモベンテ隊セット』の61式戦車の最新テストショットがメインに飾られており、われわれのジオラマはそこに、ちょっとした花を添える程度に置かれると思っていたのですが……。なんと、このコーナーの告知ボードに加えて、作品制作者の名前の書かれたプレートまで置いてもらって、すっかり展示の一員的な扱い。
 いや〜、恐れ多すぎるっ!

 とは言え、展示するために協力をいただいたバンダイホビー事業部の方々からも、完成品に対してなかなか好評価をいただき、少しはプロモーションの協力ができたようで、石井も木内も胸をなで降ろしております(何よりも、無事完成にこぎつけて、当初の告知を守る形で飾れたことにホッとしていたりしていますが)。

 ということで、改めてジオラマに関するコメントを掲載します。

■ 石井コメント
「もともと、この『サイクロプス隊セット』は、ガンダムの戦場写真集『M.S. ERA 0099』(メディアワークス刊)に掲載されている、ヨーロッパ方面で活躍するサイクロプス隊の様子をベースに作られたものだろうと思っていたので、そんなヨーロッパ方面での活躍をイメージして作りました。
 ジオラマを作るにあたってテーマにしたのは2つ。まずひとつめは、『U.C.HARDGRAPH』シリーズのいろんな商品から持ってきたものをひとつのベースに収めること。これは、統一スケールで、キャラだけでなく、メカや小物をうまくリンクして使えるようになっているのを判るような組み合わせにしようと思ったからです。その結果、シリーズの第1弾からはワッパ、第2弾からはバイク、第3弾からはテーブルとイス、そして、メインのキャラは第5弾からという感じでつかっています(第4弾は残念ながら未使用)。
 そして、もうひとつはサイクロプス隊らしさ表現です。きっと、サイクロプス隊のメンバーは、軍隊とは言え固い信頼関係で結ばれていて、そんな彼らの気心のふれたやりとりをなんとかジオラマにできないかと思いました。そこで、次の作戦に向けてワッパを整備するガルシアをメインに、他のメンバーが話をしている様子を形にしています。
 全体の雰囲気は悪くない感じに仕上がったと思いますが、「どうやって置いたんだろう?」という木の下のワッパの位置をはじめ、いくつかツッコミどころがあります。このあたりの配置のバランスは、今後に活かせたらと思っています」

■ 木内コメント
「何はともあれ完成した事が嬉しいですね。31日になっても夏休みの宿題をやらない僕ですが、
例によってギリギリまで引っ張ってしまいホビー部の方にはご迷惑をおかけしました。本当にすみません。
二つ目のジオラマ作成にもかかわらず風呂敷を広げすぎました。おかげで試行錯誤の連続。特に苦労したのはガルシアのバイクに乗せるための改造です。ランバ・ラル隊からゼイガンを持ってきて上半身をつければと考えていたのですが、実際に接着してみるとかなりへんてこな状態に・・・。バランスを調整する為にエポキシパテを盛って調整しました。特に左腕は肩から丸ごと無くしてしまい、パテで新造せざるを得ない状況に。もう少し表情をつけられなかったものかと反省してます。
反省ばかりでは何ですのでポジティブな感想も。今回はいろんな材料やテクニックを知ることができたので非常に勉強になりました。今までガンプラを作っていてもパイロットは捨てていましたが、これからはちゃんと塗装しようと思います。先日も某作品の戦闘機が発売されたので、この経験をいかしてパイロットも塗りました。もうフィギュアから逃げたりしません。(笑)次はガンダムの腕を使った作品が作れないかと考えている毎日です。でもレイアウトが決まらないんですよね・・・。この考えている時間が一番楽しいかも。(笑)」

 

 ということで、プロモデラーではない二人による作例制作もこれでひと段落。会場に来ていただいたみなさんには、稚拙な作品を拝見いただいてありがたく思っております。また、これらの作例を見ることで、「自分も作れるかも……」と感じて、手を動かしてもらうきっかけになれば嬉しいです。

 さて、ひとミッションを終えた我々二人だが、発売された『MS IGLOO2 重力戦線』の第1巻の映像を見てテンションが上がり、さらに新製品の『セモベンテ隊セット』のリリースが控えているとなると、このまま終わることはなさそう……。果たして、次のチャレンジは……?

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