デザイナーインタビュー/山根公利氏

 2011年2月末に発売されるU.C.HARD GRAPHシリーズ「地球連邦軍 多目的軽戦闘機 FF-X7 コア・ファイター」の設定を手掛けられたデザイナーの山根公利氏と草彅琢仁氏に、それぞれ今回の設定作業についてうかがってみました。

山根公利氏 YAMANE KIMITOSHI

■U.C.HARD GRAPHシリーズ、久々の新商品となるわけですが、いかがでしたか。

久しぶりの新製品のリリースを嬉しく思います。これまでシリーズを購入して頂いた方々のおかげですね。 初の大物航空機アイテムということもあり新鮮な感覚です。 パッケージアートも航空機で腕を鳴らしておられる天神英貴さんということで楽しみですね。

■これまでのシリーズ内容と毛色の異なるコア・ファイターの設定化はいかがでしたでしょうか。

キャラが主役(ガンダム)がらみなので、迂闊(うかつ)なアレンジは出来ないぞと感じました。マイナーなアイテムの方がアレンジに気がねがないですから。過去に多くのコア・ファイターが模型化されていて、初期からプロポーションに関しては良い物が多かったと思いますので、ユーザーのイメージを裏切らない物にというのは枷(かせ)ではありました。 航空機であると言う点でも、これまでと違うアプローチが必要になると思いました。

■1/35スケールの模型ですので、アニメの設定より細部を表現すると思いますが、今回はどのあたりにこだわられたのでしょうか。

実際の航空機としてのバランスを取るとキャラクターが変化するので、やはり細部での演出で航空機らしさとか実機的な雰囲気が出る様にしようと気を使いました。空気の流れが感じられるようにするとかそういう所です。例えばインテーク部のフチをなるべく薄くして空気抵抗を感じさせない様にとか、そこから入った空気がどこへ流れてどのような機能を果たすのかとか。

■コア・ファイターが変形する点で悩まれた部分はございましたでしょうか。

コクピットのシートの回転が出来るスペースを確保して、機首のスタイリングを決めるまでに大変時間を取りました。余裕のあるデザインにすると空飛ぶカピパラみたいになってしまうので(笑)ギリギリまで突き詰めました。特に変形後のパイロットの脚の置き場の確保に困りました。機首のアウトラインに大きく影響する部分でした。

草彅琢仁氏 KUSANAGI TAKUHITO

■U.C.HARD GRAPHシリーズ、久々の新商品となるわけですが、いかがでしたか。

今まで地上で活躍する陸上兵器を主に扱ってきたU.C.HARD GRAPHシリーズにおいて、今回のコアファイターセットでは新たに航空機を取り上げました。また、アムロとセイラというガンダム世界を象徴するキャラクターに、新たなU.C.HARD GRAPH的解釈を与えています。
シリーズに新たな世界をひらく意欲作だと感じています。

■デッキクルーやパイロットスーツの設定でご苦労された点はございますか。

実際のデッキクルーの複雑に細分化した職種に驚かされます。ビジーでタイトな環境で相互にカバーしミッションをこなす様は、さながら一つの機械の様ですが、同時に汗臭い人間性も感じます。多様な職種の中で情景としてコア・ファイターやパイロット達と最もマッチする者を選ぶ事に腐心しました。キットでは一体のみですが、他クルー達との連携が感じられる様な情景になればと思います。

■1/35スケールのフィギュアですので、アニメの設定より細部を表現すると思いますが、今回はどのあたりにこだわられたのでしょうか。

U.C.HARD GRAPHシリーズは、リアリティのあるミリタリーテイストが魅力ですが、特にパイロットスーツについてはアニメ設定のスマートなシルエットや軽快さを損なう事なく、ミリタリズムの魅力である機能美や実用性を盛り込む事を意識しました。

■こだわりの点がございましたら教えてください。

航空機クルーの情景で、よりカラフルな彩色が設定出来ました。今まで本シリーズは、主に陸戦を想定しカラーリングもアースカラーや迷彩等の言わばロービジ(low visibility 低視認性)カラーを主に扱ってきましたが、本作ではハイビジ(high visibility 高視認性)カラーを積極的に取り入れ、ヴィジュアル面でU.C.HARD GRAPHの世界が広がったと思います。

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