設定解説:地球連邦軍 対MS特技兵セット

 地球連邦軍の兵士たちは、逆光の中にそそり立つひとつ目の巨人を仰ぎ見た。
そして、立ち昇る黒煙の中に、その巨人は一人ではなかった・・・・・。
 U.C.0079.3.1. 圧倒的な戦闘力を誇るジオン軍モビルスーツと彼らは初めて遭遇したのだ。
 ジオン軍による地球侵攻作戦は、その破竹の進撃から「電撃戦」を想起させた。しかし、実態は違った。敵の守りの手薄なポイントを突き、敵の動揺のうちに突進する電撃戦とは明らかに異なっていた。
 それは、「蹂躙」という言葉がふさわしい。ジオン軍は、地球連邦軍を強襲し、完膚なきまでに蹂躙したのである。新兵器MSの前に、地球連邦軍は対抗すべき装備を持たなかった。
 だが、崩れ去る防衛線に於いて、一部の地球連邦軍兵士は果敢に巨人に立ち向かったのだ。彼らの胸に去来するものは何だったのだろうか。

 「地球連邦軍 対MS特技兵分隊」(E.F.G.F. Anti MS Squad)とは、モビルスーツハンターたちである。MSに立ち向かう彼ら唯一の武器は、「対MS重誘導弾(AMSM)M−101A3 リジーナ」。
 これを扱う特殊技能兵は「特技兵」と呼ばれた。そして、彼らを援護する一般兵と共に一分隊を形成していた。

 過酷な彼らの戦いは、一年戦争の中盤、連邦軍製MSの登場の後までも続いた。量産の追いつかないMSと対等に部隊は維持編成され続けたのだった。
 それは、MSを優先配備された極東方面軍第一機械化混成大隊、通称「コジマ大隊」でさえも同様であった。

(今西)

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